「【コラム】全日本選手権期間中に最悪のホテルに宿泊した話 その2」の続きです。
短い林道のようなところを抜けると、すぐ近くにコンビニが見えました。
急に日常に戻されます。
ムッシュから借りた懐中電灯を持ったまま店内に入るのは恥ずかしかったので、バッグに押し込みました。
飲み物と、何か間食できるようなものを買って、来た道を戻ります。
画像はイメージです |
ホテルに着くと、入り口が明るくなっていました。
ムッシュが点けてくれたのでしょう。
後ろを見ると自分の影が伸びています。
画像はイメージです |
これからチェックインするお客さんもいるはずなのに、なぜ点けっぱなしにしないのか些か疑問でした。
ムッシュに借りた懐中電灯を返そうとするもフロントには誰もいません。
奥に人影が見えたので声を掛けると、ムッシュとは別の若い男性が出てきました。この若い男性を「ギャルソン」と呼ぶことにしましょう。
「これ、先程お借りしまして・・・」と懐中電灯を差し出すと、ギャルソンは「ああ、そうでしたか。大丈夫でしたか? あの道は危なくて」と言って笑顔で対応してくれました。
近くで見たギャルソンの目鼻立ちがムッシュに似ていたので、おそらく息子なのでしょう。
部屋に戻ると、ホテルの廊下から続く寒さがそのまま部屋の中まで続いていました。
着ていたダウンジャケットは脱がずに、ベッドに腰を下ろしました。
部屋全体に広がる独特のカビ臭さが気になります。
あまりにも寒いのでお風呂に入ろうと思い、浴槽にお湯を張りはじめましたが、浴槽全体を見事な水垢が覆っていることに気づき、シャワーだけにしようと思いました。
シャワーを浴びている間も、浴槽底のザラザラとした感触が気になって仕方がありません。
浴室から出た後はさらに体が冷えてしまいました。
全館共通エアコンなので調整はできません。また、カビ臭さの原因がエアコンにあると思っていたので、強くしたくありませんでした。
エアコン以外の方法で室温を上げねばなりません。
窓ガラスの冷たさが室内に伝わらないようカーテンを閉め、浴槽に熱いお湯を張って湿度と室温を上げ、テレビを点けっぱなしにしました。
テレビでは2006年公開の映画「フラガール」が放送されていました。
劇中で流れるハワイアンミュージックとともに、部屋が温まってきます。
ベッドには自分のものではないお菓子の欠片が落ちていましたが、もう気にならなくなっていて、そのまま寝てしまいました。
続く。
【コラム】全日本選手権期間中に最悪のホテルに宿泊した話 その1
【コラム】全日本選手権期間中に最悪のホテルに宿泊した話 その2
【コラム】全日本選手権期間中に最悪のホテルに宿泊した話 その3
【コラム】全日本選手権期間中に最悪のホテルに宿泊した話 その4
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