ひさびさの戯言コラムです。
何年か前、まだラジコンに関するYouTube動画が少なかった頃「今後、TVゲームや音楽系のようにユーザーによる動画が増えてくると思うし、それでラジコンが盛り上がってくれるといいよね」みたいなニュアンスのことを書きました。
それまでレース動画などはありましたが、声を入れる・顔を出す・脚色するといった動画はほとんどなかったように思います。
そして、2020年頃から（予想外の）コロナ禍の影響もあり、ごくごく普通の一般ユーザーによるラジコン動画が増えてきました。
それが最近減っています。
■モチベーション
まずモチベーションについてですが、2005年頃からのブログブームの時も、有名なラジコンブログというのはありました。ただ、本人のラジコン熱が冷えてしまい辞めてしまう、またはその後流行してきたSNSに移行するケースが多くありました。
ラジコン熱が高ければどんどん動画をアップする。そしてラジコンへの興味が薄れれば辞めてしまうというのは自然なことです。
ブログブーム後半はアフィリエイトブームとも重なりますが、ブログ単体では十分な収益化ができず、とはいえ手間は増えるので、物販と組み合わせたりするケースもありました。
■収益
ラジコン熱が上下するのは自然なことで、それを前提に安定して動画を公開していくためには収益化がひとつの手助けとなります。
ラジコン熱が下がっていても十分な収益があればそれがもう一つのモチベーションになります。
ただ、大きな課題があります。
ネットにおける広告収益は、より多くの人に見てもらうことでより多くの収益を得ることができます。
例えば、美味しい料理が出てくる。かわいい動物がでてくる。女性が主に男性が趣味としているものを楽しむ。その他に、楽器演奏、美容系、時事系などはそもそもニーズが高く、ライバルも多いもののニッチなものに比べて収益化しやすいジャンルです。
では日本でセパタクローやカバディに関する動画で十分な収益を上げられるかというと、よほどのエンタメ性がないとほぼ無理だと思います。
ラジコンを含め、ダーツ、ボウリング、囲碁などは、世の中にはよく知られているけれども、ネットだけでは十分な広告収益を上げていくだけの競技人口（ファン人口？）はありません。
■経費
また、ホビーラジコンは決して安いものではありません。
新製品を購入してレビューをするとなると結構な出費になります。チャンネル登録者数は増えるかもしれませんが、銀行の預金残高は減ります。
製品提供（特に中華系RC）を受けている人も多いと思いますが、一人で撮影・編集をしている場合でも人件費を仮に5000円/時間（※）とすると、トータルで10数時間かかることも多いですから、単体ではほとんどが赤字でしょう。
※映像のプロとして食べて行けている人の中で概ねもっとも安い人件費
「趣味でやってるから収益なんて気にしない。ラジコンを購入するお金も十分ある」という人もいると思いますが、その場合は前述の「ラジコンへの興味が薄れれば辞めてしまう」に話が戻ります。
■ラジコン動画収益化の成功例
でも、世界にはラジコン動画だけで食べていけているだろうと思われる人もいます。
その条件は以下のようになります。
・英語である
・顔出しあり
・サムネを変な顔で撮る（極端な驚きの表情等）
・非競技系
世界中をターゲットにし、十分な収益をあげるだけでの再生数と再生時間をもっています。
YouTubeで「RC Car」などと検索して上位に出てくるチャンネルがそれです。
すぐわかると思います。
■ラジコンYouTube動画の今後
コロナ禍も落ち着き、YouTubeブームも落ち着いてしまった現在、一般ユーザーによる動画は、新規ユーザー達による試みは続くものの、だいぶ淘汰されていくと思われます。
そして今後は、メーカーが発信するもの、サーキットが発信するもの、ショップが発信するものなど、動画公開が他の利益を生んでくれるポジションの人たちによる動画が微増してくると思います。
当然後者は一定のバイアスがかかります（ただし一定の秩序も保証されます）。自社製品をよく見せたいと思うのは企業活動として当たり前のことで、そうでなければやる意味がありません。
テレビなどで健康法などを取り上げた番組が問題になったり、効果がほとんど期待できない除菌製品が流行りだしたりすることが過去たくさんありました。
こういったケースほどではないとはいえ、視聴者には今まで以上に本質を見極める力が求められてくると思います。
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