【REDRC】自信を見せるChristopher Krapp「Aメインに入ることよりも、優勝することが目標」

 

世界選手権デビューから14年が経過した今、スポーツの最高峰で戦うために、同じレベルのハングリー精神と精神力を持ち続けることができるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。

電動ツーリングカーレースは、5分間という短い時間の中で110％の集中力と正確さが要求されるカテゴリーで、最初から最後まで気を抜くことができないのです。

特に近年は、新人がなかなか定着しないクラスですが、その中でトップクラスに上り詰め、常にレースを戦っているドライバーがChristopher Krappです。

7回目の世界選手権を迎え、2度の世界選手権4位入賞により、IFMARの9人目のISTC世界チャンピオンになる意欲を高めています。

Christopher Krappは、2008年タイで世界選手権にデビューしました。

この年は、Marc Rheinardが原篤志をオーバーテイクして世界選手権第2位のタイトルを獲得した年です。

Dファイナルを制したものの、バンコクでの活躍が世界を驚かせたわけではなかったが、2年の時を経て、本格的なレースタレントとして母国タイに登場することになりました。

京商のスターファクトリードライバーとして、日本の有名ブランドを代表するプロフェッショナルな役割を果たし、2010年のブルグドルフでは、後に世界選手権で活躍するRonald VolkerやJilles Groskampを抑えて4位入賞を果たしました。

翌2012年、Christopher KrappはETSの第3戦で優勝し、世界選手権の仲間入りを果たしました。しかし、この年の世界選手権は7位に終わり、期待に応えられなかったのです。

2014年はさらに悪化し、9年間京商でドライブした最後の世界選手権となったキシミーのAメインを逃しました。2015年、若手ドライバーの憧れであるタミヤに移籍したクラップは、TRFチームでの短い期間を「荒れた時期」と表現しています。 しかし、2016年の北京大会では4位となり、再び表彰台を逃し、自己最高の世界選手権の成績に並ぶこととなりました。

TRFの「ドリームチーム」の一員である彼の4位は、メーカートップの成績であったことを考えると、より印象的であったでしょう。しかしChristopher Krapp自身の言葉を借りれば、「明らかに十分な結果ではなかったので、その年の終わりにはチームを終えることになった」のです。

2017年1月、ヨコモとの契約が発表されたChristopher Krappは、自身のキャリアにおける新たな章と、親友のRonald Volkerとチームメイトになることを楽しみにしていたが、日本のメーカーには多くの変化が起こっていました。

12ヶ月の間に、Ronald VolkerのETSと世界選手権での成功を支えたブレーン、海野幸次郎がヨコモを去ったという衝撃的なニュースが飛び込んできたのです。

次に、長い間チームマネージャーを務めたロバート・イトウがヨコモを去りました。

南アフリカでの世界選手権では、松崎隼人がマシンのエンジニアリングをリードしたが、数ヵ月後にまたもやヨコモを退社しました。

そして2020年末、Ronald Volkerがヨコモを離脱し、無限精機に加入するとの発表がされました。

この一連の出来事により、チームヨコモの存続をめぐるさまざまな噂が流れました。

やがてChristopher Krappは、ヨーロッパチームのマネージャーに任命され、当初の予定よりはるかに大きな役割を担うことになりました。

不安も多く、大変な仕事ではあったが、今はとてもうまくいっているといいます。

この二重の役割が、自分をより強く、より完全なレーサーにしてくれたと、彼は信じています。

「2022年シーズンは、本当にうまくいっている。さらに、家を建てたり、第一子を授かったりと、とても忙しい一年だったが、7月のETSでの勝利は、これ以上ないタイミングだった。」という。

ETSでの最後の勝利から10年、彼はまだ勝てることを知り、「高いモチベーション」を持っています。

現在、ETSでは3戦すべてで表彰台を獲得し、ポイントランキングでトップを走っていますが、グッビオでは考え方が変わったといいます。「今年はドライビングのレベルが上がった。30歳を目前にして、より経験を積んでいる。より経験豊富なドライバーになりました。レースで勝てることは分かっている。自分を信じて、今シーズンは勝てるということを証明したい」と述べています。

「今の自分の成績だけでなく、ヨコモチーム全体の責任として、レースをより大きく見なければならない。最終的にはヨコモのために良い結果を残したいし、ブランドを成長させたい」と語っています。また、「今シーズンの成績は非常に良く、他のチームと比べても大きなチームなので、セットアップも柔軟に対応できると思う」と続けました。

Yannic Prümperも6月のアペルドールンでETS優勝を果たしており、Christopher Krappは同じドイツ人である彼の優勝の可能性に期待を寄せています。「Yannicとは本当に良い友人関係で、お互いに良い成績を残している。土曜日（決勝日）に1-2フィニッシュを達成できれば、順位は気にしない」。

飛行機がキャンセルになり、ウォームアップ・レースを欠場したChristopher Krappでしたが、グッビオのコースで事前にテストをしなかったことについては、それほど気にしていない様子。

「現地に行ったドライバーと話したところ、コースはそれほどテクニカルではないので、全員が同じペースで走れると思う。Nicholas Leeも来ていて、彼からは本当に良いマシンのフィードバックをもらった。マシンがいいことは分かっているし、水曜日の練習走行もある」

携帯電話でその週の天気を確認したところ、4日間とも雨に見舞われる可能性があることがわかった。ウォームアップレースへのフライトはキャンセルされたが、Christopher KrappはYannic Prümperとともに火曜日にイタリアへ向かいます。

出所：REDRC